もう一人の自分に出会うための手引書
わたしたちは、
“自分のことを知っているようで…実はよく知らないまま”
大人になってしまうことがあります。
でも、自分を思い出すためには、
「自分の性質(長所と短所)」を知ること がとても大事。
その理由は、
長所と短所は“別々の性質”ではなく、
ひとつの性格の表と裏でできているからです。
🌿 「あなたの長所は?短所は?」と言われた子ども時代
子どもの頃、学校や塾で
「長所は?短所は?」
と聞かれた記憶はありませんか?
あの頃はよくわからないままに
「やさしいところ」「元気なところ」
そんなふうに書いていたかもしれません。
けれど、
どうして“やさしい”と思ったのか?
理由まで考えたことは、意外となかったりします。
🌿 長所と短所には、ひとつの性質の2面が隠れている
たとえば私は子どもの頃、
“自分は優しい子だ”と思っていました。
困っている人を見ると放っておけなくて、
知的障がいのある子を見ると自然に守ろうとしてしまったり、
近所の小さな子の遊び相手になったり。
“誰かの役に立ちたい”
という気持ちが人一倍強かったんだと思います。
でも、ある日。
見知らぬ大人から
「あんた、おせっかいやな」
と言われたことがありました。
その瞬間、
「え…私が良かれと思ってやってることは、
余計なことなんだ…?」
とショックを受けた記憶があります。
この出来事から気づいたことがあります。
長所は、そのまま短所にもなる。
短所は、長所の裏返しでしかない。
「優しさ」は、
ときに「おせっかい」と呼ばれる。
でもその根っこは、
“誰かを助けたい” という同じ性質なんです。
🌿 長所と短所を書くことは、自分を客観的にみる作業
だからこそ、今回のノートでは
自分の長所と短所をセットで書くことをおすすめしています。
書くときに大切なのは、
長所そのものではなく
“なぜそう思ったのか”という理由。
理由の中に、
あなたの性質の本質があります。
そして短所を書くときは、
自分を責めるためではなく、
長所がどんな形で裏返るのかを知るためです。
☝️ノートに書くときの3つの質問
ノートにはこの3つを書いてみてください。
✏️ 私の長所はなに?
→ どうしてそう思った?
→ どんな経験があった?
✏️私の短所はなに?
→ その短所の根っこにある “長所” はなんだろう?
→ 誰の言葉でそう思ったんだろう?
✏️私の性質の “表と裏” はどこにある?
→ どんなときに長所が表に出る?
→ どんなときに短所として現れる?
書き出すことで、
自分のことを“外側から”見られるようになります。
🌿 長所・短所を書くことで見えてくる “自分の癖”
長所と短所を書いてみると、
ただの性格のリストではなく
自分の考え方の癖や傾向が自然と浮かび上がってきます。
・相手を優先しすぎる癖
・慎重すぎて動けなくなる癖
・完璧を求める癖
・頼まれると断れない癖
どれも “良い悪い” ではなく、
あなたがこれまで生きてきた中で
自然に身についた心の働きです。
そして、
この癖を知ると 自分の感情のスイッチも見えてきます。
- どんな時に怒りが出るのか
- どんな言葉が悲しみを生むのか
- どんな場面で不安が強くなるのか
- どんな状況で自分を責めたくなるのか
それが分かるようになると、
感情に振り回されずに距離を取ることができ、
これからの考え方や行動を
“自分の軸” に戻しやすくなります。
つまり、
長所と短所を書くことは
**“もう一人の自分を知り、これからの自分に優しくなるための入口”**なんです。
🌸 最後に
長所と短所は、あなたを評価するものじゃありません。
大切なのは、
「私はこんな性質を持っているんだ」
と知ってあげること。
長所だけでも、短所だけでもなく
その両方があなたらしさをつくっているということ。
ノートに書くことで、
あなたは“もう一人の自分”と出会えます。
そしてその出会いが、
これからの考え方や行動をやさしく整えてくれます。
もう一人の自分に出会うための手引書の1ページに加えてみて下さい。

自分のこと、だんだん見えてきたかな?


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