憎しみを抱えていた私は、笑えなくなっていた

「わたしの足あと」

憎しみが教えてくれた、本当に守りたかったもの

人それぞれ、憎しみを抱く理由や深さは違います。
憎しみは、突然生まれるものではなく
いくつものストレスが重なった先に生まれる感情だと、私は感じています。

たとえば
自分への不当な扱いを受けたことへのストレス。
環境が変わることで、自分にかかる負担が増えたこと。
そして、本来得られるはずだった「希望の未来」を失ったこと。

こうしたものが重なったとき、人の心には憎しみが芽生えるのかもしれません。

大切な家族を失ったことによる、
行き場のない悲しみや苦しみの上に生まれる憎しみについては、私は経験がありません。
その痛みには、軽々しく触れることはできないと思っています。

今日は、
憎しみを抱えてしまうつらさ
そして、憎しみに縛られていた自分の話 を書こうと思います。

憎しみを抱えていると、顔つきまで変わってしまう

憎しみを抱えてしまうと、本当に人相が変わります。

なぜか、はんにゃのような顔になるのです。
眉間にしわが寄り、顔全体が引きつる。

なぜ顔に集中するのかは分かりませんが、
今ふとその頃のことを思い出すと、
今でも顔がひきつる感覚があります。

憎しみは、心の中だけの問題ではありません。
身体にも、確実に影響を与えていました。

🌿子どもの病気と、孤独のすれ違い

私は結婚していたとき、旦那さんの浮気を経験しました。
過去にもそういうことがあったようですが、
それを知ったのは結婚したあとでした。

子どもが生まれてすぐ、病気があることが分かり、
私は入院の付き添いをする生活になりました。

旦那さんは仕事終わりに病院へ来る。
そんな日々が続いていました。

一年のうち半年は入院。
退院しても、三か月ほどでまた入院。

三歳を迎える頃、少し落ち着きが見られ、
家で過ごす時間も増えてきました。
その頃に、旦那さんは転職をしました。

そして、家族以外に楽しみを見つけたことが発覚しました。

理由を聞いたとき、返ってきた言葉はこうでした。

「病気の子どもが一番つらい」
「それに付き添う母親(私)」
「そして、孤独な自分」
その状況の中で、

彼が口にしたのが
「子どもが生まれてから、辛かった」
という言葉でした。

その瞬間、私の中でスイッチが入りました。

見ている世界が、決定的に違う。

🌿 憎しみの中で、私は自分を見失っていた

このことが発覚したのは
二人目の子どもが生まれてからのことでした。

「この子は、いつ座ったんだろう」
「私は、この子にどれだけの愛情をかけてきただろう」

そう考えても、記憶がほとんどありませんでした。
そして、体重は大きく落ちていました。
その変化に、改めて自分で驚いたのです。

明るいお母さんになりたかった。
優しいお母さんでいたかった。

それなのに、私は笑えていませんでした。

「このままではあかん」
そう強く思いました。

🌿「母親ではなく女を選んだ」と言われて

このことを友人に相談したとき、こんな言葉を言われました。

「離婚を選ぶってことは、
母親じゃなくて女を選ぶってことやな」と…。

でも私は、
明るいお母さんを選びたかった。

あのまま家族の形を守ることを選んでいたら、
私は針のむしろの上にいるような毎日を送っていたと思います。

子どもの成長を見る余裕もなく、
嫉妬と憎しみにまみれて、
はんにゃのような顔をして生きていたかもしれません。

🌿 二本の道の前で、私が選んだもの

目の前には、二本の道がありました。

右には、
家族の形を守る代わりに続く針のむしろ。

左には、
離婚後の苦労が待つ道。

私は、左を選びました。

生活を回すだけで必死で、
さまざまな困難もありました。

それでも時間が経つにつれて、
少しずつ、考え方が変わっていきました。

「旦那さんに、思いやりが足りなかったのかもしれない」
「私にも、そうなった原因があったのかもしれない」
「大変だったけれど、離婚してよかった」

🌿 憎しみの意味が、少しずつ変わっていった

今振り返ると、
あの出来事は人生の中で用意された
ひとつの困難なステージだったのかもしれません。

それを乗り越えることが、
当時の私に与えられた課題だった。

そう思えるようになったとき、
旦那さんの浮気さえも
「私のための演出だったのかもしれない」
と考えられるようになりました。

そのとき、
私の中にあった憎しみは、静かに消えていきました。

🌸 最後に

確かに時間はかかりました。

でも、憎しみの対象に向いていた意識を、
少しずつ「自分」に戻していくことで、
心は確実に軽くなっていきました。

今、もしあなたが
憎しみの渦中にいるなら、
この話は入ってこないかもしれません。

それでも、いつかでいい。

相手ではなく、
自分のことや、自分の未来にフォーカスしてみてください。

憎しみは、無理に消そうとしなくていい。
でも、あなたの人生の主役は、あなた自身です。

視線を自分に戻したとき、
憎しみは少しずつ、力を失っていきます。

今日もあなたの心が、
少しやわらかくなりますように🍃

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