あの日、四つ葉のクローバーが教えてくれたこと

小さな奇跡の宝箱

―「大丈夫」と思えた、小さな出来事―

毎日をこなすだけで精いっぱいだった頃

30歳の頃、私は仕事をしながら看護学校に通っていました。

ちょうど病院での実習が始まった頃、娘が腸閉塞で入院することになりました。

職場の病院、看護学校、娘が入院している病院、実習先の病院。そして、下の娘を預かってもらっている実家。

毎日、いくつもの場所を行き来していました。

今日はどこへ行くんだった?
次は何をするんだった?
あれは済ませたっけ?

次から次へと、やらなければならないことが押し寄せてきます。

そのうえ、入院している娘の症状は、なかなかよい方向へ向かいません。

心配でいっぱいでした。

それでも、立ち止まっているわけにはいきません。

自分がやるしかない。

そう思って、目の前のことをひとつずつこなしていました。

足元にあった、小さな四つ葉

ある日、実習先の病院へ向かう途中のことです。

私は公園の中を歩いていました。

すると突然、足元にあるものが目に飛び込んできたのです。

四つ葉のクローバーでした。

探していたわけではありません。

四つ葉を見つけようと、草むらを眺めていたわけでもありません。

ただ、いつものように歩いていただけ。

なのに、不思議なくらい自然に、その小さな四つ葉が目に入ったのです。

その瞬間、私の心にひとつの言葉が浮かびました。

「大丈夫」

まるで四つ葉のクローバーが、私に微笑みかけながら、そう語りかけてくれているようでした。

張りつめていた心が、ふっと緩んだのを覚えています。

娘の病状がよくなったわけでも、抱えている問題が解決したわけでもありません。

それなのに、私は不思議な安心感に包まれました。

そして、もう一度頑張ろうと思えたのです。

あの頃は、頑張っているつもりもなかった

当時、私の様子を見て、

「えらいなぁ」

と声をかけてくれる人もいました。

でも、その頃の私は、そんなふうには思っていませんでした。

だって、自分がやるしかないんです。

誰かが代わってくれるわけでもない。

自分がその立場になったら、みんな同じように頑張るんじゃない?

そんなふうに思っていました。

頑張っているというより、ただ必死だったのだと思います。

けれど、60歳になった今、あの頃の自分を振り返ると、思うんです。

「ようあんなことできたなぁ」

仕事をして、学校へ通って、実習に行って、娘の入院先へ足を運んで。

今の私なら、あの頃の自分にこう言ってあげたい。

「ようやってたなぁ。えらかったなぁ」

あの頃は、自分を褒めることなんて考えもしませんでした。

でも今なら、あの頃の自分の頑張りを認めてあげられます。

今もそばにある、あの日の四つ葉

実は、あの日見つけた四つ葉のクローバーを、私は押し花にしました。

そして、お守りのように、今も家に飾っています。

あれから約30年。

人生には、思いどおりにいかなかったことも、失敗したことも、たくさんありました。

それでも、あの日の四つ葉のクローバーは、私にとって特別な存在です。

四つ葉のクローバーに、何か不思議な力があったのかどうかはわかりません。

ただ、あのときの私には、確かに「大丈夫」と感じられる瞬間が必要だったのでしょう。

そして、あの小さな出会いが、もう一度前を向く力をくれました。

今もそばにある、あの日の四つ葉
お守りのように今も家に飾っています。

あなたにも、小さな「大丈夫」が届きますように

生きていると、目の前のことで精いっぱいになって、自分がどれほど頑張っているのかさえ、わからなくなることがあります。

そんなとき、誰かの何気ない一言や、ふと目にした景色に、心が救われることもあるのかもしれません。

大きな出来事でなくてもいい。

ほんの小さなことで、心が少し軽くなることがある。

そして、今は自分の頑張りを認められなくても、いつか振り返ったとき、

「あの頃の私、よう頑張ってたなぁ」

と思える日が来るかもしれません。

もし今、あなたが目の前のことで精いっぱいなら。

どうか、そんな自分を責めずにいてください。

私も、あの日の四つ葉のクローバーのように、そっと言葉を届けたいと思います。

「大丈夫」

今日のあなたの心に、小さな灯りがとどきますように。🍀

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