歩くと、心がほどけていくとき

「心との向き合い方」

頭の中がいっぱいで、感情の整理もできない。
そんなとき、私はただ歩きはじめました。
目的なんてなかったけれど——その一歩が、
自分の心をほどく時間になりました。

あの頃の私

 子どもの病気、仕事、学業、家庭。
 どれも手を抜けない中で、常に心配と責任に押しつぶされそうな日々でした。

 頭の中はタスクでいっぱいで、
 「どこから手をつけたらいいのか」すら、わからなくなっていました。

 感情を感じる余裕もなく、
 気づけば涙も出ないほど、ただ“こなす”毎日。

歩きはじめた理由

 そんなある日、ふと「歩こう」と思いました。
 それは、なんでもなく “健康でいなければ”という気持ちからでした。
 ほんの少しでも身体を整えよう。
 そんな軽い気持ちで外に出たのがきっかけでした。
 歩いているうちに、
 静かな時間の中でいろんな思考があふれてきました。

 「私は今、何に悩んでるんだろう」
 「どうしてこんなに苦しいんだろう」

 気づけば、
 押し込めていた記憶や感情、過去のトラウマまでが
 波のように押し寄せてきて、涙で顔がぐしゃぐしゃに。
でも不思議と、その涙は「つらい涙」だけじゃなかったんです。

気づいたこと

涙と一緒に、心の奥から
いくつもの“気づき”が浮かんできました。

「今しんどいのは、自分が望んだ結果じゃないけれど、
 自分の選択の結果なんだ」

自分にできること、できないことが見え、
できることにフォーカスしようと気づけた。

そして、これまでがんばってきた自分の姿に
「えらいな」と素直に思えた。そしてなにより——
“今いちばん大事にしたいもの”が、はっきり見えました。

歩くことで心が動く

歩くというのは、
「自分と向き合うリズム」を取り戻す行為なのかもしれません。

タスクに追われ、自分の気持ちを忘れてしまったり、
自分を大切に思う気持ちが薄れてしまうこともあります。

まず、歩いてみてください。
何も考えず、心おだやかに空気や風を感じながら。
歩くうちに、心が少しずつ動き出します。


あとがき

 歩くたびに、
 すこしずつ心が整理されていく。

 そんな経験を通して、
 私は「感情は押し殺すものじゃなく、ほどくもの」だと知りました。

 もしあなたがいま、心がいっぱいになっていたら、
 無理に答えを出そうとせず、ただ歩いてみてください。あなたの中の“静かな声”が、
 きっとまた聴こえてくるから。

 🌿きゅう

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